駐車の苦手意識を克服!初心者でも安心できる駐車のコツ

車の運転に慣れてきても、「駐車」だけは苦手意識が残るという方は非常に多いのではないでしょうか。特に狭い駐車場での車庫入れや、交通量が多い場所での縦列駐車は緊張しますよね。
駐車は感覚だけでなく、「車の動きの仕組み」「いくつかの目印(目安)」を知ることで、誰でも上達できます。ここでは、初心者の方でもすぐに実践できる駐車の基本と、上達のコツを徹底解説します。

右に行くのか左にくのかわからないよー

駐車が難しい理由:車の動きの基本を知る


駐車で戸惑うのは、車が体の真横ではなく、前輪(前のタイヤ)を軸に曲がるという特性があるからです。

後輪は内側を通る(内輪差): ハンドルを切って曲がる際、後ろのタイヤは前のタイヤが通った軌跡よりも内側を通ります。この「内輪差」を意識しないと、車庫入れの際に内側の車や壁にぶつけてしまいます。

バックは感覚が逆: 車はバックするとき、ハンドルを切った方向と逆向きに車体全体が振られます。この感覚に慣れることが、駐車克服の第一歩です。

基本中の基本:車庫入れ(後退駐車)のコツ

日本の駐車場で最も一般的に行う、後方から車庫に車を入れる方法です。

ステップ 1:準備と最初の目印

  1. 車を寄せる位置: 駐車したい場所の隣の車(または区画線)と、ご自身の車のボディを約1メートル離して、まっすぐ並行に停車します。
  2. サイドミラーで目印確認: 自分の車の後部座席側の窓(または真ん中のドアの取っ手)が、駐車枠の隣の車(または区画線)の端並んだら停車します。これがハンドルを切り始める最初の合図です。

ステップ 2:ハンドルを全開で切る

  1. ギアをリバース(R)に入れる: 停車したら、ギアをバック(R)に入れます。
  2. ハンドルを全開で切る: 停車した位置から、行きたい方向と逆側(お尻を入れたい側)にハンドルを目一杯(全て)切ります。
  • 例:左側の車庫に入れる場合、ハンドルを右に目一杯切る。
  1. ゆっくりと後退開始: 後方を確認しながら、アクセルは使わず、クリープ現象(ブレーキを離したときの微速)だけで、超ゆっくりと車を動かし始めます。

ステップ 3:車体をまっすぐにするタイミング

  1. ミラーで確認: 動きながら、左右のサイドミラーを交互に見ます。
  2. 目印の確認: 自分の車のリアバンパー(車体後端)が、駐車枠とおおよそ45度の角度になり、両側の線や隣の車と平行になるのが見えたら、ハンドルをまっすぐに戻します。
  3. まっすぐ後退: ハンドルをまっすぐにしたら、あとはゆっくりと後退し、車体を車庫の中心に入れていきます。

ステップ 4:微調整と停止

  1. 最終確認: 車体がまっすぐに入ったことを確認しながら、後ろのタイヤ止めのブロックに当たる直前でブレーキを踏んで停車します。
  2. ドアの開閉スペース: 降りた後でドアを全開にできるか、隣の車とのスペースを見て、必要であれば少し前進して調整します。

💡 コツ: ハンドルを切りすぎて車体が枠から大きくずれてしまったら、焦らず一度「前進」してやり直すのが一番早く直る方法です。

応用編:縦列駐車のコツ

前後に車が停まっているスペースに車を停める方法です。最も難易度が高い駐車ですが、手順を知れば必ず成功できます。

ステップ 1:停車位置を決める

  1. 並行に停車: 駐車したいスペースの前の車ぴったり並行になるように並び、距離を約50cm開けて停車します。
  2. 目印を合わせる: 自分の車の後部座席側の窓(またはドアミラーの付け根)と、前の車のリアバンパーの角並んだら停車します。これが最初の目印です。

ステップ 2:後ろ斜めに進む

  1. ギアをリバース(R)に入れ、ハンドルを切る: 停車したら、駐車スペースと逆の方向にハンドルを目一杯切ります。
  • 例:右側に縦列駐車する場合、ハンドルを左に目一杯切る。
  1. ゆっくり後退: ゆっくりと後退し、自分の車の左側のサイドミラーに、後ろの車の車体全体が見えるようになるまで進みます。

ステップ 3:ハンドルを戻す

  1. ハンドルをまっすぐ: 後ろの車が見えたら、ハンドルをまっすぐに戻します。
  2. そのまま後退: まっすぐ後退し、自分の車の右前の角が、前の車の左後の角一直線になるまで進みます。

ステップ 4:ハンドルを逆向きに切る

  1. ハンドルを逆向きに切る: 停車し、今度は駐車スペースと同じ方向にハンドルを目一杯切ります。
  • 例:右側に縦列駐車する場合、ハンドルを右に目一杯切る。
  1. 最終調整: 左右のミラーと前方を注意深く確認しながら、車体が枠と平行になるまで後退します。
  2. 停車: 車体が平行になったらハンドルをまっすぐに戻し、前後の車との間隔が均等になるように微調整して完了です。

駐車を上達させるための意識改革

駐車はテクニックよりも「意識」が重要です。

✅ 焦らないこと(ギアをパーキングに入れない)

駐車中に焦ってミスをすると、ついギアをPに入れてしまいがちですが、駐車中のギア操作は「D(ドライブ)」と「R(リバース)」だけに限定しましょう。Pに入れてしまうと、一旦ブレーキを強く踏む必要があり、リズムが崩れてしまいます。

✅ 視線の使い方をマスターする

  • 車庫入れ: 左右のサイドミラーで後ろの区画線、そして隣の車との距離を確認することに集中しましょう。視線を左右に頻繁に動かし、車体がまっすぐになるタイミングを逃さないことが重要です。

縦列駐車: サイドミラーで後ろの車との距離と、縁石との距離を確認します。縁石(車道の端の段差)にタイヤをこすらないよう、縁石側のミラーを重点的に見ましょう。

✅ 最新機能を活用する

  • バックモニター(リアビューカメラ) :車の真後ろを映してくれるため、後方の距離感を掴むのに非常に役立ちます。ただし、モニターだけを頼りにせず、必ず目視とミラーも併用しましょう。
  • アラウンドビューモニター: 車を上から見たような映像で、車体の周囲全体を確認できる機能です。車体と障害物との正確な位置関係が掴めるため、初心者には特におすすめです。

駐車は経験を積むことで必ず上達します。安全な場所で何度も練習し、自分だけの「目印」を見つけることが、駐車苦手を克服する一番の近道です。

  • Writing: のるウェイ! 編集部

    「のるウェイ」は、KINTOが運営する“クルマに詳しくない人”のためのWEBマガジン。編集部では、カーライフにまつわるモヤモヤやハテナを、初心者目線でていねいに掘り下げ、共感と発見のある読みものとして発信している。 コンテンツは、運転未経験からスタートする成長ストーリーや、教習所・ドライブ体験レポート、さらにはVTuberとのコラボ企画など多彩。ときには最新のコネクティッドカー技術もやさしく解説しながら、「運転って意外とおもしろいかも?」と思えるきっかけを届けている。 “気になる”から始まるカーライフの入口をつくるべく、編集部ではジャンルにとらわれず、等身大の視点でクルマと人との関係性を日々再発見している。

最新機能もあるみたいだから練習してみようかな

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